頭頸部がんは口や鼻の中、喉やそれらの周辺にできるがんです。陽子線治療では、2018年4月から一部の頭頸部がんが保険適応となっています。

頭頸部がんの陽子線治療

保険適応となる頭頸部がん

口腔・咽喉頭の扁平上皮癌を除く頭頸部悪性腫瘍
(頭頸部悪性黒色腫、腺様嚢胞癌、嗅神経芽細胞腫、唾液腺腫瘍、鼻副鼻腔扁平上皮癌、その他の非扁平上皮癌)

先進医療で治療ができる頭頸部がん

頭頸部扁平上皮癌

主な条件として、手術非適応(拒否)であること遠隔転移がないことが挙げられます。陽子線治療は通常のX線治療と比較して、正常組織への影響を減らすことができるため副作用を小さくできると言われています。

治療の方法

どれくらいの陽子線を当てるかは悪性腫瘍の種類によって異なりますが、65~75Gy(RBE)の線量を26~37回(およそ6~8週間)にわけて照射をおこないます。

当院の治療の特長

当院では治療前に毎回インルームCTで6軸で位置照合を行うため、より正確な位置に照射を行うことができます。
頭頸部の治療の際には、頭の動きを小さくするために固定具(シェル)を用います。照射方法はスキャニング照射でおこないます。スキャニング照射は従来の拡大ビーム法に比べ、より腫瘍の形状に沿った限局した線量分布をつくることができ、治療の副作用を小さくすることが期待されます。
また、より治療に適したエネルギーの陽子線を用いるため、頭の周辺にポリエチレンブロックを設置することがあります。