インルームCTによる高精度な位置合わせ

当院の陽子線治療室には自走式インルームCTが備え付けられています。このCT装置で治療前に毎回撮影を行い、位置合わせをおこないます。CT画像では、標的である腫瘍はもちろん陽子線を極力当てたくない正常な臓器もはっきりと確認することができるため、正確かつ安全な位置合わせが可能となります。6軸で位置補正が可能な治療寝台と組み合わせることで、高精度に位置補正をおこないます。

mm単位で前立腺位置合わせが可能

目的に応じた2種類の照射方法

当院の陽子線治療装置は、拡大ビーム法とスキャニング法の2種類の照射が可能となっています。
治療する部位に応じて使い分けをすることで、より最適な陽子線治療を実現できます。

拡大ビーム法

特に呼吸などで動くがん(肺がんなど)に使用する方法で、サイクロトロンから発生するビームを均一に散乱させて大きく広げたうえで、それぞれの病巣に合わせて製作する器具(ボーラスおよびコリメータ)を使用して、標的がん病巣の形状に合わせて照射します。

スキャニング法

動きが少ないがん(前立腺がん、頭頚部がんなど)に対して細いビームを標的がん病巣の形状に合わせて、それぞれの深さごとに塗りつぶすように照射する方法です。複雑ながん病巣の形状にも合わせることができます。