肝臓は人の体で最も大きい臓器で成人男性では約1.0kg~1.5kg程度の重さがあります。
肝臓には大きく3つの役割があり、
①分解、吸収された栄養素を貯蔵し、必要に応じエネルギーとして産生します。
②代謝の際に生じた有害物質や、体外から摂取したアルコール等の有害物質を解毒し、分解します。
③小腸で脂肪の消化を助け、肝臓内の不要な物質を排出する胆汁の合成・分泌をします。
肝臓癌には大きく原発性肝がんと、転移性肝がんに分けられます。原発性肝がんは肝臓の細胞ががん化した肝細胞がんと、胆管細胞がんが癌化した肝内胆管がんがあります。
B型肝炎、C型肝炎やアルコール、喫煙、糖尿、肥満などから慢性肝炎、肝硬変を経て肝細胞がんを発症する可能性があります。
初期の肝細胞がんでの多くは自覚症状がありません。病状が進展してから症状が出ることが多く、倦怠感、黄疸、疼痛、腹部圧迫感が現れることがあります。
肝細胞がんの検査は、CT、MRI、超音波検査と腫瘍マーカーの検査を組み合わせて行います。
肝細胞がんの陽子線治療
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2022年4月から直径4cm以上の切除不能な肝細胞がんの陽子線治療が保険適応になりました。
陽子線治療は、X線治療よりも肝臓全体にあたる放射線の量を減らすことができます。
陽子線治療は、X線治療よりも肝臓全体にあたる放射線の量を減らすことができます。そのため、X線より正常臓器の副作用や放射線誘発肝障害を少なくすることができる安心な治療といえます。